夢をSNSに書いたら、トレーラーハウスの制作現場に立っていた話

トレーラーハウス
屋根付きの制作現場

8月上旬の月曜、千葉県にあるトレーラーハウスの制作現場に娘と2人、カーシェアで向かいました。

目の前には、まさに組み立て途中の段階〜ほぼ完成までしてる車両が何台も。

敷地内にはそのほかに、今すぐ暮らせそうな完成品が1台ありました。

なんでこんなところにいるんだろう、と少しだけ他人事みたいに思いました。

だってこの見学の始まりは、たった1枚の画像をSNSに投稿しただけのことだったからです。

始まりは、Threadsに載せた「夢のビジョンボード」

見学1ヶ月前、僕はThreadsに、自分の夢を並べたビジョンボードを投稿しました。

陸前高田への移住。
トレーラーハウスでの暮らし。
家族3人の、身の丈に合った生活。

正直、誰かに何かを期待して投稿したわけじゃなく、ただ、頭の中にあるものを外に出しておきたかっただけでした。

もしも、誰かすでにトレーラーハウスで暮らしている人がいたら話を聞かせて欲しい。
そんな思いでした。

「家を建てる」より、「こんな暮らしがしたい」と思った話。
小さな家で、大きく暮らすという考え方2027年の岩手県陸前高田市への移住まで、あと半年。移住後は、まず岩手県が用意してくれているお試し居住を利用して暮らしをスタートする予定です。お試し居住は最長6年間利用できるそうなので、その間にじっくりと…


そうしたら、コメントが来ました。
Nomad Trailersの柏木さんという方からでした。

自然と一つになる体験価値を独自設計したトレーラーハウスの販売と、宿泊事業に関わっています、と。

そこに、直営ホテルとして「the nature 八ヶ岳」のリンクが添えられていました。

……いや、待って。そこ、泊まったことある!

同じ敷地にあって3年前に泊まったことのあるTHE NOMADのトレーラーハウスに惚れて、the natureを見つけたときにすぐ泊まりに行った場所でした!
夢のボードに貼った憧れの作り手と、僕がすでに泊まった宿が、同じ会社だったのです。

翌日、柏木さんからこう返ってきました。

代表の大野からノマドからのお客様だと伺いました、と。

そして続けて、ご家族でどんな暮らしがしたいのか、まずはそこを掘り下げるところからですね、と。

その一言で、話が夢に一歩近付いた気がしました。

その後、オンラインで話を聞かせてもらい、ぜひ千葉の製造現場も見に来てくださいー!なんて言って頂いて今回の見学に繋がりました。

夢は、頭の中に留めていても誰にも届かない。
書いて、出す。
それだけで繋がるご縁もあるんだと、この一連の出来事で思い知り、発信する大切さを身に染みて感じました。

あとから知った、柏木さんのこと

最初にコメントをもらったとき、柏木さんのThreadsには所属も肩書きも書かれておらず、完全に個人のアカウントだと思ってました。

実際、今も個人アカウントなのですが。

その背景を大野さんが教えてくれました。

柏木さんもまた、大野さんのトレーラーハウスに泊まって魅了された人の一人なのだそうです。
普段はご自身の別の事業をされていて、そのうえでNomad Trailersのトレーラーハウスの魅力を伝える活動もされています。
大野さんのトレーラーハウスに泊まった時に、トレーラーハウスというコンパクトな空間でも使い方やレイアウト次第でたくさん使える空間がたくさんあることに気付かれ、その魅力に惹きつけられたそうです。

本業を別に持ちながら、それでも人に薦めたくなる。
そういう関わり方をしている人がいるということ自体が、このトレーラーハウスの持つ力を物語っていると思いました。

なにより、僕自身がその惹きつけられた側の一人ですし笑

さらに驚いたのは、柏木さんのご主人がNomad Trailersの共同代表だということ。
大野さん、柏木さんのご主人、篠田さん、蛭田さんの4人で共同創業されています。

たった一つのやり取りの裏に、こんな物語がありました。

千葉・Nomad Trailersの制作現場へ

現場を案内してくれた大野さん

当日、対応してくれたのは代表の大野さん。それから、現場を管理している篠田さん。

ここはNomad Trailersの制作現場であり、Eagle Valleyの制作現場でもあります。
見せてもらったのは、製造中の車両3台と、展示用の完成品1台。

(そのほかにもラーメン屋さん用のトレーラーハウスなども制作されてました。)

制作過程から、完成品まで、トレーラーハウスが出来上がるまでを同じ日に見ることができました。

段差を付けたシャーシが空間を広くする

骨組みを見て、より設計のイメージが膨らみました

いちばん最初に案内されたのは、まだ壁のない車両でした。

赤い鉄骨のフレーム。
その内側に立ち上がる細身の柱。
床は合板。
下を覗けばシャーシとタイヤ。

こうやって製造途中のトレーラーハウスを生で見るのは初めて。

人の車両なのに、もし自分なら?と頭の中でここはこうしたらおもしろいかも!
キッチンはここで、ロフト、子ども部屋と妄想を膨らませていました笑

また別の車両では、外壁の下に防水・透湿シートが張られていました。
この上に杉板が張られて、あの見慣れた外観になるのかあと。

壁厚とかも現地で何cm必要か確認が取れたので、今後のイメージを膨らませる上でもとても参考になりました。

壁厚15cmの中に断熱材も収まっている

完成した外観しか見たことがなかった僕にとって、この「途中」を実際に見れたことが大きな収穫となりました。

トレーラーハウスって、こうやってできてるんだ。
断熱材や柱の厚みはこのくらいで、配線はこういうところを通っているのか。

意外と屋根と壁って薄いんだなあとか。

自分たちが住むかもしれないものの中身を知れたことで、今までYouTubeを見て描いていたトレーラーハウスの図面をより細かく描けるなあと思いました。

心を掴まれた3つのこと

1. ロフトの下に、大人が立てる

ロフト下で180cmほど確保できる

トレーラーハウスのロフトと聞くと、寝るためだけの、這って上がる屋根裏みたいなイメージを持っていました。

110cmほどあると寝室としての可能性も出てくる

でも見せてもらった車両は、ロフトの下にちゃんと有効高が確保されていました。
177cmの私でも立てる。娘なんて余裕で立てる。
しかもロフトでも110cmほど高さが確保できるので、工夫次第でロフトを「収納」ではなく「寝室」として使える。
この一点で、頭の中の間取りが一気に組み替わりました。

2. 造作のキッチンとランプ

ロフト、キッチン、リビング。ここでの暮らしが一気に膨らみます。

展示用の完成品は、さらに世界観が完成してきました。
カウンターとスツール、白いタイル、吊り下がるランプ。

トレーラーハウスって「小さくひもじい家」ではなくて、「自分のスキを集めた家」なんだな、と思いました。

こんなキッチンで毎朝家族とご飯を食べるイメージが湧きました!

唯一無二の造作のキッチン。
既製品を置いただけじゃない、自分のスキを選べる自由が感じられるキッチンでした。

3. フルオープンする窓から広がる空間

この窓の先にデッキを接続すれば、さらに自由な空間が拡がります。

この窓も造作の一点。

この窓の先に広々したデッキ、その先に続く陸前高田の海が広がったらなんてすてきなんだろう!
そんな想像がどんどん膨らみます。

2.5m×8m×3.8mでも、家族3人で暮らせるかもしれない

130cmくらいの娘だとちょうど天井に頭がつくくらいでした。

僕らが考えているのは、車検が通るサイズ、幅2.5m×延長8m×高さ3.8m。

正直、この日までずっと不安でした。
YouTubeでよく見る海外のトレーラーハウスは幅が3m以上あって延長が11mとかある。
しかも高さは4.2m。この少しの違いで空間の広さやロフトで確保できる高さなどがけっこう変わってきます。

なので、2.5×8×3.8mの広さで、家族3人が本当に暮らせるのか。
そこが気がかりでした。

でも実際に中に立ってみて、「工夫次第でいけるかもしれない」と思えました。
数字で見ていたときの2.5m×8mと、体で入ったときのそれは、まったく違う広さでした。

一方で、はっきり見えた壁もあります。

ダブルロフトを実現しようとすると、お風呂の仕様と重量がネックになりそうだということ。

トレーラーハウスは走る前提の建物だから、重さがそのまま制約になります。
やりたいことを全部足していくと、どこかで必ず重量とぶつかる。
ここは設計の一番の悩みどころになりそうです。

しかも以前、トレーラーハウスを製造しているYADOKARIさんに相談した時、日本の場合トレーラーハウス単体で住民票を取得するのは困難だという話も伺いました。

なので、小さなコンテナハウスや空き家を改築して、その庭にトレーラーハウスを設置。

すべての機能をトレーラーハウスに持たせるのではなく、載せきれないものは違う空間に移してもいいなと思っていたところでした。

このあたりは行政によっても判断が違うみたいなので、移住後に情報を集めてみたいと思います。

いちばん安心したのは、娘の顔だった

今回、娘と2人で行きました。

内心、いちばん怖かったのはここでした。
娘が「こんな狭いところ嫌だ」と言ったら、この計画そのものが揺らぐ。

結果、拒絶どころか、完全に前のめりでした。

いち早くロフトに上がってくつろぎ、持ってきたお気に入りのカードを広げ、案内してくれた大野さんにも話しかけていました笑

その後も、ロフトへ行ったり来たり。
楽しそう、というより「もう自分の家だと思ってる」ような顔をしていました。

延長8mだけど、ロフトがあると数字以上に広さを感じる。

大人が理屈で悩んでいることを、子どもは体で先に答えを出してくれました笑
この日、いちばん救われたのは間違いなくこの瞬間です。

それでも、不安は消えていない

ここからは正直に書きます。

見学に行って全部が晴れたかというと、まったくそんなことはありません。
むしろ具体的になった分、輪郭のはっきりした不安が増えました。

収納をどうするか。 3人分の荷物が、あの空間のどこに入るのか。
今の暮らしをそのまま持ち込めないことは分かっているけど、じゃあ何を手放すのか。

洗濯乾燥機の揺れ。 走る家である以上、揺れます。
おそらく洗濯乾燥機を使うとかなり揺れると思います。日常の中でそれとどう付き合うのか。

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そして、いちばん重いのがお金です。

思っていた以上に昨今の物価高騰で金額が上がっていました。
想定していた数字と現実の数字にギャップがある。この差をどうやって埋めるのか、
どこから資金を作るのか。

正直、まだ答えは持っていません。

それでも、進む

帰りの道、「お引っ越しして今日みたいなトレーラーハウスに住むのはどう?」と聞いたら、

「いいよ」と言っていました笑

見学に行ったら、できそうなことと、できなさそうなことがはっきりしました。

不安が消えないまま進むのは、正直しんどいです。
でも、不安が「なんとなく怖い」から「収納・揺れ・お金」に変わり、不安の正体がわかってきただけで、ずいぶん扱いやすくなった気もします。

輪郭のある不安は、一つずつクリアにしていける。

そして、惹きつけられてしまった以上、もう見なかったことにはできません。
柏木さんがそうだったように。

次は、この3つに一つずつ答えを出していこうと思います。


柏木さん、大野さん、篠田さん、ありがとうございました。

最後までお読み頂きありがとうございます^ ^

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